04月10日(金)
高齢者と補聴器
2020年65歳以上の高齢者が人口の29%を超す超高齢社会になり、
医療的介入が必要な難聴者は約900万人、身体障害に該当する高度難聴者は40万人と言われています。
聴力低下は徐々におこるため、家族に指摘され受診する例が多いです。
耳鼻科の診療、検査を受けず購入している方がかなりおられます。
購入後良く聞こえないからと受診される方を見受けられます。
補聴器店では静かな所で明瞭な声での検査なので良く聞こえると買って帰ります。
家では生活環境雑音があり、家族の声は分かりやすい人ばかりではないので
適切な調整が出来ていないとよく聞こえません。
日本耳鼻咽喉科学会は平成16年に難聴者がそのコミュニケーション障害に有効な補聴器を
適正に選べるように補聴器相談医制度を創設しました。
加齢による難聴は小さい音が聞こえない、大きい音は正常者以上にうるさく感じる、
音質が劣化した不自然な音に聞こえる、言葉のあやわかりがしないなどの特徴があります。
購入する際には、
①無料で貸し出し試聴できる
②きちんと音を合わせてくれる
③アフターケアがしっかりしていることが重要です。
補聴器はポケット型、耳かけ型、耳穴型があります。
高価なものが良く聞こえるわけではありませんので、自分に合った物を選び、適切な調整が特に必要です。
常に装着して、少しずつ音量を上げてトレーニングすることで慣れて使いこなせます。
調整には一般的に3か月かかると言われています。
補聴器は使用が煩わしい、高価である、恰好が悪いなどの理由で、
難聴者の使用率は英国で42%ですが日本では14%です。
聴力の低下はコミュニケーション力の低下、社会的な孤立につながるため、
補聴器を使って会話し脳に刺激を与え続けることは認知症の予防になると報告されています。
日耳鼻学会認定補聴器相談医には以下のこともしています。
・聴力検査を受け聴力レベルが該当する難聴であれば、障害手帳を受け取れます。
→手帳があれば補聴器を買うときに補助が受けられます。
・医師の診療や治療などのために直接必要な補聴器購入の費用は医療費控除の対象になります。
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